Q14 民間賃貸借上住宅入居者への支援は、メンタルヘルスにどのような効果を期待していましたか。

 

民間賃貸借上住宅入居者を対象としたサロンは、各市町の社会福祉協議会が主催するなど、さまざまなかたちで開催されました。

・支援者の目が行き届きやすく、催しや交流の機会も多いプレハブ仮設住宅より、それぞれで探して入居する民間賃貸借上住宅は、「応急仮設住宅に比べ情報や支援も入りにくく、慣れない土地での生活を余儀なくされた(*1)」「応急プレハブ仮設住宅には作品展示会や交流する場があるが、民間賃貸借上住宅に住んでいる者には、交流する場がない。(*2)」など孤立しやすいなどの課題がありました。そのような理由から、東日本大震災では民間賃貸借上住宅入居者で孤立傾向にある方を対象にしたサロンもさまざまなかたちで開催されました。

・メンタルヘルスに対する効果として、同じ経験をした人や共通の感情を持つ人が集うことによる孤立感の軽減、セルフケアに関する情報の獲得などがあります。

・被災したことに対する悲しみの感情、生活への不安や不満などを話せる機会は、歳月と共に減っていきます。気持ちを受け止めてもらえる場が一定期間存在していることが、参加者のメンタルヘルスを考える上で大きなメリットであったと考えられます。

みやぎ心のケアセンターの場合はこうでした

1)孤立予防のため複数団体によって実施したサロン

・市や市社会福祉協議会、医療機関と当センター等で開催されました。

・交流の場の提供による孤立感の軽減、セルフケアの方法を学ぶことによる健康度の向上などが目的とされていました。

・サロンの前半はセルフケアに関する講話や体験、後半はお茶を飲みながらの交流という2部構成になっており、具体的な内容としては「心を元気にする話」「ストレスの話」などの講話や「アロマオイルマッサージ」「呼吸法」「ヨガ」などの体験を行いました。参加者からは「自分の気持ちをわかってくれる人と会って話せて良かった」「交流や活動によって心が穏やかになった」などの声が聞かれました。(*1)

2)手芸、畑作業、お茶会などの様々なサロン

・健康調査実施後のハイリスク者へのフォローに関わる中で、民間賃貸借上住宅入居者で孤立傾向にある方が多く存在することがわかりました。そのような方を対象に、手芸、畑作業、お茶会など、それぞれの地域ニーズに応じた内容のサロンを実施しました。(*2)

・また、制作品を展示する企画を通じて、連絡先が分からなくなっていた方々が再会を懐かしむ光景が見られたり、子ども食堂に栽培した野菜を提供したことによる交流が生まれるなど、サロン活動を通じた地域のつながりが広まるきっかけとなりました。(*2)   

3)当センターがこれまで民間賃貸借上住宅等で行ってきた各サロンの取り組みについては、以下から詳細をご確認頂けます。

引用・参考文献
(*1)被災者支援メンタルヘルス交流会『心カフェ』について 公衆衛生情報みやぎNO 514震災復興特集より
参照
(*2)「第Ⅴ章地域センターごとの活動報告 / 2.石巻地域センター地域支援課の活動報告」公式活動記録2011-2020よりサロン活動紹介部分抜粋(再掲)
(*3)「第Ⅴ章地域センターごとの活動報告 / 1.基幹センター地域支援課の活動報告」公式活動記録2011-2020よりサロン活動紹介部分抜粋(再掲)
(*4)「第Ⅴ章地域センターごとの活動報告 / 3.気仙沼地域センター地域支援課の活動報告」公式活動記録2011-2020よりサロン活動紹介部分抜粋(再掲)
(*5)「県外避難者向けサロン~福島県外避難者を対象としたサロン活動の経過から~」公式活動記録2011‐2020