Q17 みやぎ心のケアセンターで採用した出向制度について、その理由と効果を教えてください。

ここでいう「出向制度」とは、全国の心のケアセンターとしては初めて、当センターが設けた仕組みで、当センター職員が直接それぞれの市町に出勤し、終日市町職員の業務をサポートする体制のことを指します。この仕組みを活用し、県内複数の市町に職員を派遣しました。派遣した出向先からの評価は高い一方、当センターからのバックアップのあり方、終了時期の見極め等の難しさなどがありました。

みやぎ心のケアセンターの場合はこうでした

●出向制度を設けた背景

・県は、当センターや被災市町から依頼されていた心のケアの専門職員の派遣を厚生労働省に依頼しました。厚生労働省は、震災後中長期に心のケアを担う専門職を確保するため、「心のケア人材確保ネットワーク」を設置していました。このネットワークは、日本精神保健福祉士協会、日本精神科看護協会、日本臨床心理士会などの精神保健の専門職団体により構成されていたものです。

・このネットワークの職能団体からは、雇用する専門職の給与を前職並みに保障して欲しいという要望が出されました。しかし、行政機関が専門職を採用する際には嘱託や非常勤等となるため、前職の給与を全額保障することは困難でした。

・県が心のケアを委託した協会であれば独自の予算体系を設定できるので、「みやぎ心のケアセンター職員」として採用し、給与を保障して出向先の市町に直行直帰するスタイルで、専門職員を派遣することになりました。

●出向業務の実際

・業務の内容は、健康調査をはじめ「心のケア」を中心とした出向先の被災者支援で、派遣した市町等からは大変喜ばれ、好評でした。また、通常行政機関で行われている自治法派遣のような法的根拠がないため、派遣元の協会と派遣先の市町は、「メンタルヘルス専門職員による支援に関する協定書」を毎年取り交わし、出向職員の業務に関するルールを定めました。

・出向者の業務内容については、職員間の受け止め方はまちまちで、出向者が当センターと出向先市町等との間で板挟みになることもあり、苦労も多くありました。そのため、「市町出向職員に係る方針」を定め、出向職員の立場や業務の指示等について周知に努めました。また、管理者も出席する出向者会議を開催して、出向者が抱えている問題の解決を図りました。当初は1~2年で終了する予定でしたが、被災市町の復興に時間がかかったため、完全に終了したのは、2020(令和2)年度でした。 

(参照)「『出向制度について』令和5年度年間活動報告書P41より」

【出向者数の年次推移】 (各年度末時)