センター設立直後は活動実績や認知が進んでおらず、市町等を含めた関係機関からの依頼はほとんどありませんでした。現地に出向き、顔を合わせ、保健師などの支援者がどのようなことで困っているのか、直接話を伺うことからニーズの把握がはじまりました。
・市町村にとって外部からの支援はありがたい一方で、受援調整には苦労を伴うことがあります。市町の方針を尊重し、ペースに合わせて支援することが大切です。
・最も優先すべきが「被災地域のニーズ」であることは心のケアセンターの活動に限りません。被災地における支援全般に言えることです。「気になったこと」を指摘し、「支援者のやりたいこと」を優先するのであれば有難迷惑でしかありません。あくまで、被災者や現地支援者のニーズを優先し、バックアップする姿勢が大切です。
【みやぎ心のケアセンターの場合はこうでした】
●ニーズの把握
・開所したものの、最初は広い被災地の状況を把握することはできませんでした。そのため、まずは被災市町や保健所の担当者を訪れ、当センターの開設をお知らせしつつ、被害状況やニーズ把握に努めました。
・被災の状況、支援者の数、発生している問題の内容などはそれぞれの市町で異なっていました。様々な支援を上手く受け入れている市町もあれば、未だSOSも出せない、出す余裕もなく、目の前の膨大な業務こなすことだけで精一杯のところもありました。
・被災地には発災直後から実に多くの支援団体が訪れており、支援を受け入れるための受援調整に苦慮し、疲弊もしていました。県内で初めて設立された「心のケアセンター」という組織についても、どのような支援をしてくれるか市町にとっては未知数で、積極的に支援を依頼できる関係にはありませんでした。
●まず取り組んだことは関係づくり
・地域を理解し馴染む努力、市町村の大変さを共有、被災地域のニーズに合わせて困っているところに対応、打合せを丁寧に行うなどの関係づくりを大事にしました。
・最初は無理をせず、求めがあったところから支援に入っていきました。地元の保健師から出される要望などについて、できる限り、柔軟で丁寧な対応を心がけました。時には、一見専門性を必要としない各種業務にも対応しました。それは、「被災地域のニーズを最優先にする」という当センターの支援の姿勢に基づき実施しました。そのことにより当センターへの理解や認知度が高まり、市町村との円滑な関係構築につながっていったように思います。
・それぞれの市町のペースを尊重する一方、他の市町では当センターがどのような役割を担っているか、どのような連携の仕方をしているかなどについての例を具体的にお伝えし、支援内容をイメージしやすくなるような工夫をしました。
・市町、保健所や精神保健福祉センターをはじめとする関係機関との会議にも積極的に出席し、ネットワークづくり、情報収集に努めました。
・市町との連携が具体的になり、支援ニーズが明確になっていったのは、県と市町村が共同で実施した健康調査ハイリスク者へのフォローからでした。かなりボリュームのある業務でしたので市町から依頼に沿って継続的にマンパワーを派遣しました。 ⇒「健康調査」については「Q18」を参照
