自然災害の被災地では、住民が長期間にわたり大きなストレスに晒されるため、自死のリスクが高まります。そのため、被災地域における自死は決して珍しいことではなく、発生した際には適切な対応が求められます。
・自死が発生すると、遺族だけでなく、近隣住民や職場の同僚、支援者など、故人と関わりのあった多くの人々に影響が及びます。悲嘆や喪失感に加え、「自分が何かできたのではないか」「何か見落としていたのではないか」といった自責感、「なぜこんなことが起こったのか」「どうして相談してくれなかったのか」といった怒りや混乱の感情を抱く人も少なくありません。また、近しい人が自死を選んだことで、他の住民が「自分も同じ道を選ぶしかないのではないか」と考えてしまう危険性もあります。その一方で、遺族や近しい人は、故人が自死をしたことを広く知られたくない、できればそっとしておいてほしいという気持ちで過ごしていることも十分考えられます。そのため、自死が発生した際には、慎重かつ丁寧に支援の実施のタイミングや内容を検討することが求められます。
・支援については、地域の相談機関や専門家と連携して進めることが重要です。具体的には、保健所、精神保健福祉センター、医療機関、遺族支援団体などが挙げられます。また、遺族に対しては精神的なケアだけでなく、経済的支援や生活再建のサポートも重要になることもあるので、幅広い支援の可能性を検討することが求められます。
自死に対する対応については、厚生労働省ホームページ内「自殺対策」サイト等をご参照ください。
【みやぎ心のケアセンターの場合はこうでした】
・生活支援員が支援を行っていた住民が自死したことを契機とした生活支援員への支援や、自治体職員の自死を契機とした職場の方々への支援など、東日本大震災後の中長期支援のなかでは、件数は多くはありませんが自死後の関係者への支援依頼がありました。
・その場合は、誰に、どのような支援が必要なのか、どのタイミングで支援を開始することが望ましいのか、支援対象者は支援を望んでいるのかなどについて、支援を依頼してきた方と丁寧に話し合い、支援に必要な質問紙票、担当する支援者の職種などの体制づくりなどの詳細を決めた上で支援を開始しました。また支援を開始した後は、直接支援を行うスタッフが精神的なダメージを負った場合でも後方的にケアできるよう、予め役割分担や相談先を決めて臨みました。
