国外の過去の多くの災害で行われた研究結果において「災害は被災地で飲酒を増やす傾向にあること、災害前のアルコール関連問題が災害によって再発したり悪化させたりすることが指摘されており、アルコール関連問題はPTSDやうつ病と並んで災害後のメンタルヘルスにとって重要な課題」と言われています。
国内では災害とアルコール関連問題との関連について検討した調査の蓄積が限られていますが、阪神淡路大震災では孤独死が社会問題となり、その原因としてアルコール性肝障害が多いことから仮設住宅で生活する被災者のアルコール問題がクローズアップされました。また、2004年の新潟県中越地震から3年後に高齢者を対象として行われた調査でも、アルコール依存症の有病率が高いなどの報告がありました。当センター立ち上げに際して、実際支援を行っていた兵庫県こころのケアセンターや新潟県精神保健福祉協会こころのケアセンターを視察させていただいた際にも、アルコール関連問題への対応が求められることについてご助言をいただきました。
みやぎ心のケアセンターの場合はこうでした
・東日本大震災以降、宮城県内の被災者は、震災による死別や負傷、家屋・財産・仕事の喪失、コミュニティの激変など、身体面・精神面・経済面で大きく影響を受けていました。また、生活再建に向けては、時間の経過とともに復興の格差が生じるなど、悩みがさらに深くなることがありました。このような中で、被災沿岸地域におけるアルコール関連問題の相談件数が増加しており、当センターに寄せられた相談においてもアルコール関連問題に関する相談は活動の中で大きな比重を占めており、中長期的な対応が求められました。
- 被災沿岸地域の自治体(仙台市を除く市町・保健所)におけるアルコール関連問題の相談件数は、震災前の2~4倍に増加しました。
- 当センターにおける「アルコール関連問題」の相談は、「精神変調」「健康上の問題」「家族家庭問題」に次いで対応が求められました。
(参照:資料1 ① 県内市町・保健所におけるアルコールに関する相談件数の推移(仙台市を除く)
② みやぎ心のケアンセンターにおける活動実績:アルコール関連問題の相談件数)みやぎ心のケアセンター統計データより集計
